先日、スーパーで「白川郷」というにごり酒を買ってきて飲んだのですが、たいへんに美味しく、自分にはあっていると思いました。これはどぶろくと思って探しに行って買ったのです。どぶろくとにごり酒の違いは濾しているかしていないかです(たぶん)。なぜ、わたしがどぶろくを買いに行ったかというと、精製されていない酒を飲もうと思い立ったからです。通常の清酒は濾過されていて透明です。そのためとても純粋な味がします。どぶろくは濾過されていないため、もろみそのままの感じがします。どうして精製されていないどぶろくが飲みたいと思ったかというと、菌について考えたからでした。きっかけは、『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』 (光文社新書) 桐村 里紗 (著)という本を読み、酒を飲むならどぶろくが良いと書いてあったからです。この本のタイトルのとおり、わたしたちの腸と自然の森はつながっています。そこには菌のフローラがあります。日本酒も麹菌により発酵されたものです。それは日本の風土のなかで育まれた菌であり、わたしたちの生まれた環境に根ざしている菌です。それを体内に取り込んで悪いわけがありません。それでわたしはすぐにどぶろくが飲みたくなって、スーパーに行ったのでした。それで唯一売っていたのが「白川郷」でした。しかし、これはとても良い買い物でした。飲んでみて味がイメージどおりの期待したものでした。この世界遺産の名を冠したにごり酒は伝統を感じさせる複雑さと素朴さのある味でした。しかし、わたしはその後、酒を飲むのをセーブすることにしました。日本人の酒文化を考えると、酒はそう毎日飲むものではなかっただろうと思ったからです。本来、酒を飲む行為は神事でした。どぶろくはそのため神聖なものとされました。今でも神社等の神事でどぶろくが使用されています。だから、わたしも何か特別な意味を持つときだけ酒を飲もうと思ったのでした。アイヌ民族も日常では酒は飲まず、お祭りや神事のときに酒が神に捧げられ、その後、厳かに飲まれるということです。普段から飲まないほうが、頭が冴えますし、生活も規則正しくしていられます。そして、飲むなら腸内の菌を育む、精製されないどぶろくにするということです。先に言いましたとおり、白川郷はにごり酒なのですがまあいいでしょう。
他に飲んだことのあるにごり酒というと、「五戸のどんべり」があります。こちらはクリーミーな感じがあって、癖がなく飲みやすい印象でした。日本酒の会のラストに振る舞われたこともあり、かなり酔っ払ってしまいました。青森のお酒です。青森は精神的に豊かな風土ですから、そうしたイメージ飲むのも一興かと思います。しかし、まだ、にごり酒でなく、どぶろくを飲んでいないのでした。この記事はたいへん不完全です。さっそく、試してみたいと思っています。どぶろくは、菌が生きた状態で生の日本酒のため、作りたてが最適です。今、11月末なので、あと少し、12月の酒造りの時期を待って購入してみます。どぶろくはイメージより高価です。保存も丁寧にしないといけません。しかし、正月の神事とともに飲むのはぴったりだと思います。普段はやはり下のにごり酒が良いと思います。
三輪酒造 白川郷 純米にごり酒 [ 日本酒 岐阜県 720ml ]